RADWIMPSの『賜物』に賛否！朝ドラ『あんぱん』主題歌に視聴者がモヤモヤする理由

2025年度前期のNHK朝ドラ『あんぱん』がスタートするや否や、SNSでは「面白い」との声と同時に、主題歌がドラマに合わないという意見が噴出しています。

主題歌を担当するのはRADWIMPS。話題性は抜群ですが、その曲調や映像演出に対して「朝の雰囲気に合わない」「昭和の世界観とミスマッチ」といった声が目立っています。

本記事では、主題歌『賜物』に対する視聴者の反応や、その背景にある違和感の正体を徹底的に掘り下げ、なぜ「合わない」と感じられるのかを解説します。

『あんぱん』の主題歌が合わないと感じる一番の理由は「朝ドラらしさの欠如」

NHKの朝ドラ『あんぱん』が2025年3月31日にスタートし、ドラマ自体は「面白い」「久々に朝ドラらしい」と好意的に受け入れられている一方、主題歌に対しては強い違和感を訴える声がSNSを中心に数多く見られます。

その最大の理由として、多くの視聴者が口をそろえて挙げているのが、「朝ドラらしさ」が感じられない点です。

従来の朝ドラでは、心を穏やかにし、1日の始まりを心地よく迎えられるような主題歌が好まれてきましたが、今回の『あんぱん』ではその期待が裏切られたと感じる人が少なくないようです。

曲調がハイテンポすぎて朝に不向きという声が多数

主題歌『賜物』を手がけたのは、映画『君の名は。』などでも高評価を得たRADWIMPS。

その楽曲は現代的でエネルギッシュなアップテンポで構成されており、一部の視聴者にとっては「朝から聴くには重すぎる」「せわしなくて疲れる」と感じられているようです。

実際、SNSでは以下のような意見が多く見受けられました。

• 「朝ドラの主題歌としては高音すぎてキツい」
• 「ハイテンポで朝の慌ただしさに拍車がかかる」
• 「三半規管が弱くて酔った」「曲が激しすぎて気持ち悪くなった」

このように、曲そのもののクオリティには一定の評価があるものの、「朝」という時間帯にマッチしていないと感じる人が多いのが現状です。

「清々しい朝」に合うゆったり系を望む意見が主流

特に年配層や従来からの朝ドラファンの間では、「穏やかなメロディで始まる朝が恋しい」という声が多数上がっています。

過去作『ちむどんどん』の「燦燦」や『らんまん』の「愛の花」など、やさしく心に染み入るような歌が多くの朝ドラで採用されてきた中で、今回の『賜物』は異色の存在となっているのです。

「朝はほっこりした音楽がいい」「家族で見ているのに、曲が主張しすぎて落ち着かない」といった声も多く、“心地よい日常”の演出という朝ドラ本来の役割に対して疑問が投げかけられています。

一方で、「現代風の挑戦で新しい風を感じる」というポジティブな意見も少数ながら存在しており、今後、聞き慣れることで評価が変わる可能性も否定できません。

時代背景と主題歌のギャップが違和感を生む

『あんぱん』は、昭和初期から物語が始まるレトロな時代背景を持つ朝ドラです。

登場人物の衣装や町並みなど、丁寧に再現された昭和の空気感に魅了されている視聴者も多い中で、主題歌とオープニング映像がそれにまったく馴染んでいないという声が続出しています。

「物語に没入しかけたところで、突然現代に引き戻されるような感覚がある」という指摘もあり、時代背景と演出のギャップが大きな違和感を生んでいるようです。

昭和初期を描いたドラマに現代的サウンドと映像

主題歌『賜物』は、RADWIMPSらしいスタイリッシュで疾走感のあるアレンジが特徴です。

しかし、昭和初期の時代背景とは明らかに乖離した現代的サウンドであるため、視聴者の中には「なぜこの曲調を選んだのか理解できない」と感じる人も多いようです。

実際、X（旧Twitter）でも「曲だけ聞けばカッコいいが、ドラマの世界観と噛み合っていない」「時代設定に対して音楽が現代的すぎる」との声が多く見られました。

さらに、「やなせたかしの人生を描いた温かな作品なのに、温もりを感じる楽曲ではなかったことが残念」という反応も目立っています。

レトロな世界観に合わない未来的オープニング映像も不評

音楽だけでなく、オープニングの映像演出についても「違和感の原因」と指摘されています。

今田美桜さん演じるヒロインがCGで構成された街を駆け回るオープニング映像は、幻想的でインパクトはあるものの、「これはMVでは？」という指摘がSNS上に多数投稿されました。

特に昭和の町並みや人情を描いた本編との落差が激しく、「ドラマと関係のない世界観に感じる」「主人公が別人に見えてしまう」といった声も。

一部では「オープニングだけ現代ファンタジー風で浮いている」「主題歌も映像も、若者向けのMVに寄せすぎている」といった批判もあり、ドラマの入口として視聴者をスムーズに作品世界へ誘導できていないことが指摘されています。

もちろん、今後話数を重ねていく中で視聴者の印象が変化する可能性もありますが、現時点では「世界観のミスマッチ」が主題歌とオープニングへの不満の大きな要因となっています。

視聴者が期待していた「やなせたかしらしい主題歌」とは？

『あんぱん』は、アンパンマンの生みの親であり、詩人・絵本作家でもあるやなせたかし氏の人生をモデルにした物語です。

そのため、放送前から多くの視聴者は、やなせ作品に通じる温かみや優しさ、そしてシンプルで心に残る楽曲を主題歌として期待していました。

しかし、実際に流れたRADWIMPSの『賜物』は、現代的で複雑な構成のある楽曲だったことから、「イメージと違う」という声が多く挙がる結果となりました。

童謡や合唱曲など、親しみやすい楽曲を期待する声

やなせたかし氏の代表作『アンパンマンのマーチ』や『手のひらを太陽に』に象徴されるように、彼の作品は子どもでも覚えられる親しみやすいメロディと、明快で深いメッセージが魅力です。

視聴者の多くは、そうしたやなせ氏の作風に共通するような、童謡調や合唱風のシンプルで温かい楽曲を朝の時間に求めていたと考えられます。

Xでは「プロの合唱団ではなく、子どもたちによる合唱でもよかった」「ほのぼのとしたメロディが欲しかった」といった意見が多数ありました。

「手のひらを太陽に」や「アンパンマンのマーチ」のような楽曲が理想？

中でも名前が頻繁に挙がったのが、やなせ氏作詞の代表曲『手のひらを太陽に』と『アンパンマンのマーチ』です。

どちらの楽曲にも共通するのは、「命の尊さ」「生きる意味」「助け合い」といったやなせ氏が生涯を通じて伝え続けたテーマが、シンプルな言葉で表現されている点です。

こうした背景から、視聴者の中には「RADWIMPSも悪くないけれど、やなせたかしの世界観にもっと寄り添った楽曲の方が良かった」という残念な思いを抱いた人も少なくありません。

実際にはアンパンマン関連の楽曲をそのまま使用することは難しいとはいえ、その精神性を感じられるような構成・歌詞・メロディが求められていたことは間違いないでしょう。

なぜこの楽曲が選ばれた？制作側の意図を読み解く

「朝ドラらしくない」と言われながらも、NHKがあえてRADWIMPSの『賜物』を主題歌に起用した背景には、新たな挑戦や意図的な“ズレ”の演出があったと考えられます。

その狙いを探ることで、視聴者の感じる違和感の理由だけでなく、今後の物語との接続点も見えてくるかもしれません。

実際、楽曲の制作には脚本との連動が意識されており、従来の朝ドラ主題歌とは異なるアプローチがとられていたことが明らかになっています。

RADWIMPS・野田洋次郎が語る制作の狙いとは

『賜物』の作詞・作曲を担当したRADWIMPSの野田洋次郎さんは、NHKからのオファーを受けてから脚本を段階的に読み進めながら、作品と共に曲を育てていったと語っています。

その中で野田さんは、次のような三つのポイントを重視して制作したと明かしています。

• 「朝、出たくない布団から這い出す力が湧くような“効き目”があること」
• 「ヒロイン・のぶに負けぬ、瑞々しい生命力を持った曲であること」
• 「挑戦と冒険をすること」

このコメントからもわかるように、野田さんはただの挿入歌としてではなく、視聴者の朝を動かす「起爆剤」となるような音楽を目指していたのです。

「朝、布団から這い出す力をくれる曲」を目指して作られた背景

現代の視聴環境は、多忙で気力を振り絞って朝を迎える人が多いという背景があります。

制作陣やRADWIMPSは、そんな朝に「喝」を入れるような曲調をあえて選ぶことで、従来の朝ドラとは一線を画す新しい試みに挑戦したと考えられます。

つまり、レトロで穏やかな映像とのミスマッチも、「主人公が時代を超えて影響を与える存在である」というメタ的な演出と見ることもできるのです。

こうしたアプローチは一部の視聴者には伝わりづらく、「朝からうるさい」「違和感が強い」と感じられてしまう結果を生んだとも言えます。

しかし、その違和感が回を重ねるごとに物語とリンクし、“効いてくる”可能性もあるでしょう。

実は「主題歌が良い」と評価する声も存在する

『あんぱん』の主題歌『賜物』には「合わない」「違和感がある」といった批判的な声が多く見られますが、一方でこの楽曲を高く評価する声も確かに存在しています。

特に音楽的な完成度や歌詞の世界観、RADWIMPSならではの表現力に魅了されている層からは、「この主題歌だからこそ心が動く」「現代的で新しい朝ドラの形を感じる」との声が寄せられています。

つまり、否定的な意見が目立つ中にも、作品の新しさを歓迎する肯定的な受け止め方も広がりつつあるのです。

若者層を中心にポジティブな意見も

特に10代～30代の若年層の間では、「RADWIMPSが主題歌でうれしい！」「ドラマより曲が楽しみ」というような、アーティストへの支持を前提とした前向きな声が目立ちます。

X上でも「RADWIMPSらしいリズム感が爽快」「朝からエネルギーがもらえる」「この疾走感が逆にスッキリ目が覚める」といったコメントが多数投稿されています。

つまり、「朝ドラ＝ゆったり・のんびり」という固定観念を持たない世代にとっては、この主題歌がむしろ新鮮で魅力的に響いているようです。

聴き続ければ馴染む？今後の評価の変化にも注目

朝ドラの主題歌は、半年という長い放送期間の中で視聴者に徐々に馴染んでいく傾向があります。

当初は「違和感がある」と言われた楽曲でも、物語とともに繰り返し聴くうちに、「実は物語とリンクしていた」「歌詞の意味がわかってくる」と評価が変わることも珍しくありません。

『賜物』もその例にもれず、ヒロインの成長やドラマの展開とともに、歌詞の持つ意味や感情がより伝わってくる可能性があります。

そのため、「半年後にはこの曲なしでは『あんぱん』を思い出せない」と言われる存在になるかどうか、今後の動向にも注目が集まっています。

いよいよ本日から「あんぱん」スタートです。主題歌「賜物」初解禁、よろしくお願いします🌹 pic.twitter.com/0u6WkWoPlG

— Yojiro Noda (@YojiNoda1) March 30, 2025