朝ドラ「あんぱん」いせたくやの実在モデルは誰？大森元貴が演じる人物とは

2025年前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」に登場するキャラクター「いせたくや」は、実在の人物がモデルとなっています。

演じるのはMrs. GREEN APPLEの大森元貴さんで、彼が演じる「いせたくや」は、どのような人物を元にしているのか気になる方も多いでしょう。

この記事では「いせたくやの実在モデルは誰か？」という疑問に答え、モデルとなったいずみたく氏の人物像や経歴、役柄との関連性について詳しく解説します。

いせたくやの実在モデルは作曲家・いずみたく

2025年春のNHK朝ドラ「あんぱん」に登場する作曲家・いせたくや。

演じるのは、人気バンドMrs. GREEN APPLEのボーカル・大森元貴さんです。

この「いせたくや」というキャラクターは、実在の作曲家・いずみたくさんをモデルにしています。

いせたくやとはどんなキャラクター？

ドラマ「あんぱん」に登場するいせたくやは、CM音楽やテレビ、映画、ラジオなどの劇伴音楽を多数手がける、才能あふれる作曲家として描かれています。

物語の中では、北村匠海さん演じる柳井嵩と出会い、嵩が作詞を手がける「手のひらを太陽に」の作曲を任されることになります。

さらに、嵩が舞台美術を担当するミュージカル「見上げてごらん夜の星を」にも音楽家として参加するなど、主人公たちと深く関わるキーパーソンとして重要な位置づけです。

いずみたくとの共通点：音楽活動と代表作

いせたくやのモデルであるいずみたくさんは、昭和の日本音楽界を代表する作曲家のひとりで、生涯でおよそ15,000曲以上を作曲したといわれています。

代表作には、「見上げてごらん夜の星を」や「手のひらを太陽に」「いい湯だな」などがあり、どれも時代を越えて愛され続けている名曲ばかりです。

特に「手のひらを太陽に」は、やなせたかしさんが作詞を手がけ、いずみさんが作曲を担当したことで誕生した名曲であり、劇中の出来事と実際の経緯がリンクしている点も注目です。

また、いずみたくさんは1988年からアニメ「それいけ！アンパンマン」の音楽も手がけており、やなせたかしさんとの長年の縁もドラマの重要な背景となっています。

こうした実績と人物像が、「いせたくや」というキャラクターに見事に反映されているのです。

いずみたくとはどんな人物だったのか？

いせたくやのモデルとなったいずみたくさんは、1930年に東京市下谷区（現・東京都台東区）に生まれた日本の作曲家・政治家です。

1950年代から作曲活動を始め、その後の昭和音楽界に多大な影響を与えました。

多彩なジャンルに渡る創作活動と、誰もが口ずさめるようなメロディで人々を魅了し続けた存在です。

多才な作曲家としてのキャリア

いずみたくさんのキャリアは、まさに“多才”という言葉がぴったりです。

ジャンルは歌謡曲、童謡、アニメソング、CMソング、校歌、さらには交響曲までと幅広く、総作曲数は15,000曲以上にのぼります。

三木鶏郎主宰の「冗談工房」や「トリローグループ」での活動を経て、1963年には芸能事務所「オールスタッフプロダクション」を設立し、音楽制作や後進の育成にも尽力しました。

後年には参議院議員としても活躍し、文化予算の増額にも注力するなど、芸術への貢献は舞台裏にまで及びました。

「見上げてごらん夜の星を」「手のひらを太陽に」など名曲を多数手がけた

いずみたくさんの代表曲といえば、まず思い浮かぶのが「見上げてごらん夜の星を」です。

この曲は、永六輔さんが作詞、坂本九さんが歌唱を担当した作品で、1963年のレコード大賞企画賞を受賞しました。

やなせたかしさんとの初対面もこのミュージカル「見上げてごらん夜の星を」の現場で、舞台美術と音楽という形での共同作業が始まりでした。

その後、1962年にはやなせさんが作詞、いずみさんが作曲した童謡「手のひらを太陽に」が誕生。

この曲は子どもたちに「命の大切さ」や「生きる力」を伝える歌として、今でも多くの学校や番組で歌われ続けています。

退屈しのぎに手のひらを懐中電灯で透かした瞬間、「手のひらを太陽に」のフレーズが浮かんだ──これはやなせさんの実体験です。

さらにいずみさんは、「それいけ！アンパンマン」の音楽も1988年から担当。

病床にありながらも遺作となった「すすめ！アンパンマン号」の作曲を最後までやり遂げたというエピソードは、彼の音楽に対する情熱と責任感を象徴しています。

やなせたかしとの深い関係性が「あんぱん」にも反映

NHK朝ドラ「あんぱん」は、アンパンマンの生みの親・やなせたかしさんと、その妻・小松暢さんの人生をモデルにしたフィクション作品です。

作曲家・いずみたくさんとやなせたかしさんは、公私にわたる長い付き合いがあり、彼らの創作活動における絆が「あんぱん」にも色濃く反映されています。

いせたくやというキャラクターは、まさにその象徴として描かれています。

ミュージカルでの共演が始まり

二人の出会いは、1960年に大阪で上演されたミュージカル「見上げてごらん夜の星を」でした。

やなせさんは舞台美術を、いずみたくさんは音楽を担当し、共に作品を作り上げたことがきっかけで親交が深まりました。

やなせさんは当時、舞台美術の経験がなかったものの、放送作家・永六輔さんの熱意により仕事を引き受けたと言われています。

この舞台の成功をきっかけに、2人はその後も数多くの創作でタッグを組むことになります。

そのひとつが、1962年に誕生した名曲「手のひらを太陽に」でした。

子どもたちに向けた希望と命の歌として、現在でも広く歌われている名作です。

「それいけ！アンパンマン」の音楽も担当

いずみたくさんは、やなせさんが原作を手がけた「アンパンマン」のミュージカル化にも携わり、1988年から放送されたアニメ版「それいけ！アンパンマン」の音楽も担当しました。

この作品は、両者の長年の信頼関係が結実したものであり、いずみさんの音楽は番組の世界観をより豊かに彩りました。

特に、病床にありながらも作曲を続け、最後に完成させた「すすめ！アンパンマン号」は、彼の遺作とも言われています。

やなせさんはこの曲について「他の作曲家に依頼する予定もあったが、たくが自らやり遂げた」と語っており、いずみたくさんの情熱と友情の深さを物語っています。

こうした背景は、「あんぱん」のいせたくやと柳井嵩（＝やなせたかし）との関係性に、自然な形で投影されています。

なぜ大森元貴がいせたくや役に選ばれたのか？

朝ドラ「あんぱん」で、いずみたくさんをモデルとするいせたくや役に抜擢されたのは、Mrs. GREEN APPLEのフロントマン・大森元貴さんです。

朝ドラ初出演となる彼のキャスティングには、単なる話題性にとどまらない必然性があります。

本項では、その理由と背景を詳しく掘り下げます。

音楽家としての共通点とキャスティングの背景

大森元貴さんは、作詞・作曲・編曲のみならず、アートワークやMVのアイデアまで手がける、現代を代表する音楽家のひとりです。

Mrs. GREEN APPLEとしては「ケセラセラ」「ライラック」などで2年連続日本レコード大賞を受賞し、すでに国民的アーティストの地位を築いています。

こうした多才でジャンルを横断する音楽性は、まさに15,000曲以上を手がけたいずみたくさんの姿と重なるものです。

また、大森さん自身が音楽に対する深い愛情をもって創作を続けている点も、いずみたくさんの情熱と共鳴しています。

「いせたくや」は単なる劇中の音楽担当ではなく、登場人物たちの心に火を灯す存在として描かれており、その役にふさわしい深みを大森さんは自然に表現できるのです。

大森元貴のコメントに見る「リスペクト」

キャスティング発表時、大森元貴さんは次のように語っています。

「後世に名を残す『名曲』たちを数多く作曲された音楽家・いずみたくさんがモデルとなっている役だと伺い、最大のリスペクトを込めて演じさせていただきます」

このコメントからもわかるように、単なる俳優仕事としてではなく、音楽家としての敬意と責任をもって役に臨んでいる姿勢が感じられます。

本人も「いち視聴者としても放送を楽しみにしている」と述べており、作品に対する愛情が深いことが伺えます。

制作陣も「リアルな音楽のエネルギーを持ち込める存在」として大森さんを起用しており、現代と昭和を音楽でつなぐ橋渡し役としての役割を期待されています。

朝ドラ「あんぱん」と登場人物のモデル一覧

NHK朝ドラ「あんぱん」は、実在の人物たちの人生をベースにしつつも、フィクションとして再構築された作品です。

登場人物の多くには明確なモデルが存在しており、その実在性が物語の説得力と魅力を高めています。

ここでは、主要キャラクターとそのモデルとなった人物の関係について整理していきましょう。

主要登場人物と実在の人物との対応

まず主人公の朝田のぶ（演：今田美桜）は、アンパンマンの作者・やなせたかしさんの妻である小松暢さんがモデルです。

戦中戦後を生き抜き、夫・柳井嵩（＝やなせたかし）と支え合いながら漫画・創作の世界で共に歩んだ人物像が投影されています。

そして、柳井嵩（演：北村匠海）は、言うまでもなくやなせたかしさんがモデルです。

漫画家であり詩人でもある彼の生き様は、作品を通じて「逆転しない正義とは何か？」を問い続けます。

そして音楽家・いせたくや（演：大森元貴）は、これまで解説してきたように、作曲家・いずみたくさんがモデルです。

現実でも「手のひらを太陽に」や「それいけ！アンパンマン」など、やなせさんとの共作を多数生み出しています。

• 朝田のぶ ＝ 小松暢（やなせたかしの妻）
• 柳井嵩 ＝ やなせたかし
• いせたくや ＝ いずみたく

フィクションとノンフィクションの境界を楽しむ

ドラマ「あんぱん」は史実に忠実というよりも、実在の人物たちの魂や想いを抽出し、ドラマとして再構築しています。

そのため、事実そのものではない部分も多く見られますが、背景にある史実を知ることで、作品への理解と感動がより深まるのです。

例えば、ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」の制作過程や、「手のひらを太陽に」誕生の裏話がドラマに反映されている場面では、史実ファンも思わず引き込まれるでしょう。

実在と創作のあいだにある「余白」こそが、「あんぱん」の見どころのひとつです。

ノンフィクションをベースにしたフィクションだからこそ、視聴者自身の想像力が試され、ドラマの世界と現実の歴史がリンクする瞬間を味わえるのです。

朝ドラ「いせたくや」「大森元貴」「実在モデル」についてのまとめ

2025年前期のNHK朝ドラ「あんぱん」で描かれるいせたくやというキャラクターは、単なる創作ではなく、昭和を代表する作曲家・いずみたくさんをモデルにしています。

その役を演じるのは、大森元貴さんという現代の音楽界を牽引するアーティスト。

この配役には、深い意味とドラマの世界観を支える重みが込められていました。

いせたくや＝いずみたくであることの意味

いずみたくさんは、「見上げてごらん夜の星を」や「手のひらを太陽に」など、日本人の心に深く刻まれる名曲を多く残しました。

それらの音楽の背景には、戦後の混乱、文化の再生、そして仲間との信頼と創作の喜びがありました。

ドラマでの「いせたくや」は、こうした現実のいずみたくさんの人生を土台にしつつも、

フィクションとして再解釈され、視聴者に普遍的なメッセージを届ける存在となっています。

いせたくや＝いずみたくという構図を知ることで、ドラマの一つひとつのシーンに込められたリアリティや情感が、より深く胸に響くようになるでしょう。

ドラマが伝えたい「音楽と友情の物語」

ドラマ「あんぱん」は、ただのサクセスストーリーではありません。

それぞれに困難を抱えた人々が、音楽や芸術を通じて絆を深めていく過程に焦点が当てられています。

その象徴が、柳井嵩（やなせたかし）といせたくや（いずみたく）の友情であり、創作への情熱です。

音楽とは、言葉では伝えきれない思いを届ける手段であり、時代を越えて人々の心に届く力を持っています。

その力を信じ、最後まで音楽を生み出し続けた実在の人物たちの姿が、フィクションという器の中で、現代の視聴者に勇気と希望を届けてくれるのです。

「あんぱん」を観るとき、キャラクターの背景にあるリアルな人生を想像しながら観ることで、作品の奥行きはさらに広がります。

いせたくやのモデルがいずみたくさんであることを知った今、ぜひその目で、音楽と友情の物語を味わってみてください。

🏃‍♀️#あんぱんだより🖌

＼＼新キャスト発表📢／／

Mrs. GREEN APPLE #大森元貴 さんの出演が決定✨
作曲家で、のちに嵩( #北村匠海 )と共に仕事をしていく、“いせたくや”を演じます。
大森さんからコメントが届きました♬#MrsGREENAPPLE#朝ドラあんぱん
📅３月３１日(月)スタート🏃 pic.twitter.com/eE1zf9Dbyh

— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) March 13, 2025