2025年放送のNHK朝ドラ「あんぱん」で使用されている土佐弁が視聴者の間で話題となっています。
特に「たまるかー!」や締めの台詞「ほいたらね!」など、印象的な言葉が登場する中、その背景には細やかな方言指導とこだわりがありました。
この記事では、「あんぱん」における土佐弁の使い方と指導の裏側、そして名台詞誕生の裏話を詳しく紹介します。
この記事を読むとわかること
- 朝ドラ「あんぱん」で使われる土佐弁の演出意図
- 「ぜよ」に頼らない自然な方言指導の裏側
- 「ほいたらね!」誕生の秘話と制作チームの狙い
朝ドラ「あんぱん」の土佐弁演出はこうして生まれた
2025年のNHK朝ドラ「あんぱん」は、高知を舞台にした作品として、土佐弁のリアルな再現に力が注がれました。
視聴者に違和感なく受け入れられる自然な方言表現を目指し、台詞の一つひとつに丁寧な指導が行われています。
中でも印象的な言葉遣いは、俳優やナレーターの演技と相まって、物語に深みを与えています。
「ぜよ」に頼らないリアルな土佐弁のこだわり
「土佐弁」と聞いて多くの人が連想するのが、坂本龍馬で有名な語尾「~ぜよ」です。
しかし、今回の朝ドラ「あんぱん」では「ナチュラルな土佐弁を全国に伝える」という方針から、この語尾の使用を極力控えた演出がされています。
方言指導を担当した西村雄正さんは、「『ぜよ』はブランド化されたイメージが強すぎて、作品の自然な感情表現を妨げる」と判断し、“ここぞ”という場面に限定して使用する工夫を凝らしました。
さらに、坂本龍馬本人も手紙などでは「ぜよ」をまったく使っていないことが調査で判明しており、この点が歴史的な裏付けとして演出の説得力を支えています。
全国視聴者向けに自然に聞こえる言葉選び
全国放送である朝ドラでは、地元民だけが理解できる方言表現を避ける工夫も必要です。
西村さんは、土佐弁の台詞が全国の視聴者にも伝わるよう、言い回しやイントネーションにも細心の注意を払ったといいます。
具体的には、キャストに配布する練習用音声テープの作成や、台本段階での台詞調整など、多岐にわたる作業が行われました。
また、意味が通じづらい土着の言い回しは、演者が自然に発音でき、視聴者にも届く形にアレンジされています。
こうした配慮が、「たまるかー!」や「ほいたらね!」といった言葉の全国的な人気につながったのです。
土佐弁指導・西村雄正さんが語る制作の裏側
朝ドラ「あんぱん」で土佐弁の監修を担当したのは、俳優で高知県観光特使でもある西村雄正さんです。
高知県土佐市出身の西村さんは、地元のことばに対する深い愛情と理解を持ち、その経験を活かして指導に臨みました。
その裏には「作品のために、リアルな土佐の空気を届けたい」という強い信念がありました。
「らんまん」に続く2度目の大役をどう受けたか
西村さんが方言指導を担当するのは、2023年度前期の朝ドラ「らんまん」に続き、これが2作目です。
「らんまん」では完全燃焼したという思いがあった中、「あんぱん」からの再オファーに驚きつつも即決で引き受けたといいます。
その理由は、「僕がやらなきゃ誰がやる」という使命感でした。
地元の言葉を、正確かつ自然に表現できる人材が少ないという現実もあり、責任を持って再び臨む決意を固めたのです。
収録現場での実際の指導法と苦労
西村さんの仕事は、台詞チェックに始まり、キャスト指導、練習用音源の制作、現場での発音確認にまで及びます。
単に「この言葉を使ってください」と指示するのではなく、演者が役になりきって自然に発話できるよう導くことが求められました。
そのために、西村さんは方言のニュアンスだけでなく、登場人物の感情や場面の流れにも配慮しながらアドバイスを重ねたといいます。
とくに若い俳優たちには、現代の土佐弁を意識させる練習法を取り入れ、日常の中で自然に出せるようサポートしました。
その地道な努力が、視聴者に「違和感のない方言」として届いているのです。
「ほいたらね!」はこうして生まれた
朝ドラ「あんぱん」で毎週金曜日の締めとして使われる「ほいたらね!」が話題を呼んでいます。
この台詞には、単なる言葉以上の意味が込められており、視聴者の心に残る演出として大きな役割を果たしています。
制作陣は週の終わりに相応しい言葉を探し抜き、土佐弁ならではの柔らかさと親しみやすさを大切にしました。
「ごきげんよう」の再来を狙った週末の締め言葉
朝ドラにおいて、週の締めの台詞は物語の余韻を残す重要な演出です。
過去の作品「花子とアン」では、美輪明宏さんの「ごきげんよう」が印象的でした。
今回も同様に、制作統括の倉崎憲チーフ・プロデューサーは、「週をまたぐつなぎとして視聴者の記憶に残るフレーズ」を探していました。
その中で土佐弁の「ほいたらね!」が候補に浮上し、優しく温かな響きを持つこの言葉に最終的に決まったのです。
「バイバイキーン」も候補に?制作チームの試行錯誤
「あんぱん」はアンパンマンの生みの親・やなせたかしさんがモデルの物語です。
その関係で、実は「バイキンマン」の台詞である「バイバイキーン」も候補として挙がっていたという裏話があります。
しかし、それでは作品の世界観から逸脱してしまう恐れがあり、作品としての品位やリアリティを保つためにも断念されたのです。
最終的には、「ほいたらね!」という土佐弁らしさと自然な別れの言葉が選ばれ、ナレーションを務める林田理沙アナウンサーの口から視聴者に届けられることとなりました。
そのイントネーションも西村さんが録音した音声をもとにしており、「バッチリです!」と太鼓判を押しています。
視聴者の心をつかむ土佐弁表現の魅力
朝ドラ「あんぱん」に登場する土佐弁は、単なる地方色ではなく、物語に温もりやユーモアを添える要素として多くの視聴者に受け入れられています。
言葉が持つ力を活かして、登場人物の個性や人間関係を際立たせる演出が、作品の魅力を高めています。
今回は、SNSでも話題になったフレーズや、日常に取り入れたくなる土佐弁の魅力を紹介します。
「たまるか」「にゃー」がSNSで話題に
劇中で主人公が感情を込めて発する「たまるかー!」という叫びが、放送開始直後からSNSを中心に大きな反響を呼びました。
このフレーズは、高知では日常的に驚きや喜び、悔しさなど強い感情を表現する時に使われる言葉です。
また、柳井寛や朝田結太郎などの男性キャラクターが語尾に使う「にゃー(脚本上は“ねや”)」も「かわいい!」と注目され、ファンの間で愛される台詞となりました。
このような細かい言葉選びが、視聴者の心をとらえているのです。
日常でも使える!?キャッチーな方言の活用法
西村雄正さんによれば、「たまるか」や「ほいたらね」は、高知では日常的に使われるフレーズだそうです。
たとえば、「たまるか」は美味しい料理を食べたときや、思いがけないプレゼントをもらったときの驚きを表す言葉として使えるとのこと。
一方の「ほいたらね」は、別れ際だけでなく会話の流れの中で「じゃあね」「さて」などの意味で幅広く使える便利な言い回しです。
視聴者の中には、実際に日常生活の中で「あんぱん」で聞いた土佐弁を使ってみるという人も増えており、言葉の広がりという点でも作品が新たな文化的影響を与えているといえるでしょう。
朝ドラ「あんぱん」土佐弁とその裏話のまとめ
朝ドラ「あんぱん」は、物語の舞台である高知の魅力を、リアルで温かな土佐弁を通じて見事に表現しています。
その背景には、俳優・西村雄正さんの徹底した方言指導と、制作陣の深いこだわりがありました。
「ぜよ」に頼らない自然な方言、「ほいたらね!」のようなキャッチーな言葉が、全国の視聴者に高知の空気を届けてくれています。
単なる言葉の再現ではなく、登場人物の心情を支える土佐弁の表現は、ドラマ全体の温かさや説得力を高めています。
また、日常でも使える便利で印象的な方言が取り上げられたことで、視聴者が作品に親しみを持ち、より深く感情移入できる仕掛けにもなっているのです。
「たまるか」「にゃー」「ほいたらね!」といった言葉は、きっと今後も視聴者の記憶に残り続けるでしょう。
土佐弁を通じて描かれる人々の絆とぬくもり──それは、朝ドラ「あんぱん」が多くの人の心に届いている理由のひとつです。
今後の展開にも期待が高まる中、言葉の力で物語がさらに豊かに彩られることを楽しみにしたいと思います。
この記事のまとめ
- 朝ドラ「あんぱん」で使われる土佐弁が話題
- 「ぜよ」に頼らないリアルな方言表現にこだわり
- 方言指導は俳優・西村雄正が担当
- 「ほいたらね!」は週の締めの台詞として誕生
- 「バイバイキーン」も候補に上がった裏話あり
- SNSで「たまるか」「にゃー」などが人気に
- 日常でも使える土佐弁の魅力を紹介
- 言葉の力が作品の深みと温かさを演出
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